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滑石街道(東山区、山科区)

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滑石街道(東山区、山科区)

京都盆地から山を隔てて位置するのが山科区、その山科区と京都盆地を繋ぐ主要幹線道路と言えば、三条通、五条通(国道一号線)、そして、2019年4月から山科区西野山から伏見区深草までが無料化となった京都市道高速道路1号線が挙げられますが、その他にも大岩街道(大津淀線)そして、今回、話題として取り上げた滑石(すべりいし)街道があります。

滑石(すべりいし)街道は、東山区今熊野交差と山科区西野山を繋ぐ約3.4kmの山越え道で、正式には、京都府道118号勧修寺今熊野線(※今熊野交差から今熊野南日吉町30番地先まで東行一方通行)と言います。

滑石街道(東山区、山科区)

滑石街道の名称の由来は「忠臣蔵の秘策を練る大石内蔵助が、芸者遊びにうつつを抜かすふりをして、毎夜毎夜、東山の山道を越えて祇園や伏見へ通った際に、凍り付いたこ道で足を滑らせて転んだこともあるだろう」ということから誰いうとなく「大石も滑る」から「すべり石」街道と呼ばれるようになったらしく、この滑石の由来は、意外にも庶民感覚的なネーミングでした。

滑石街道は、京都盆地と山科区を繋ぐ他の道路とは違い、狭隘、急勾配、急カーブと三拍子揃った運転手泣かせの道路です。

東山区方面から峠までは、狭隘さを更に強調するかのように、道路直近に家屋が建ち並び、初めてこの道を車で抜ける時には、見通しがきかないため、そのカーブの先に何があるか分からず不安になります。

また、峠を越えると、落ちれば奈落の底とも思えるような山肌に沿った急カーブが何カ所も続き、運転手は否が応でも緊張感が高まります。併せて、大きな車同士が離合しようものなら、たちまち、「抜き差しならなくなる」というのが滑石街道です。

交通事故を起こさないためにも、滑石街道は特に、スピードは控えめに、そして、譲り合う思いやりをもって運転するようにしましょう。

ちなみに、この滑石街道、一部の区間は、土曜日、日曜日、祝日を除く午前7時から午前9時の間、二輪車と許可された車を除き通行禁止となっていますのでご承知下さい。

この滑石街道、昔は、峠を越えて山科方面に向かう山肌で水晶が採れたので、その水晶を探しに、子ども達がこの滑石街道を歩いている光景も見られたのですが、今では、テレビゲームやYouTubeの時代となり水晶を探す子どもがいないばかりか、この場所で水晶が採れるかどうかも定かではありません。でも、車で抜けるにはやっかいな道ですが、東山区から山科区にぶらぶら歩いて抜けるのには、1時間ぐらいで抜けられ、変わってゆく風景と、その勾配から丁度良いハイキングコースとも言えます。
皆さん、健康のために試してみませんか?

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