京の商店道
京都市伏見区、稲荷山の麓には、稲荷山全体を神域とする伏見稲荷大社の本殿があります。
この伏見稲荷大社、全国約3万社あると言われる稲荷神社の総本社で、普段もそうですが、初詣、節分祭、稲荷祭等の祭礼行事には、多くの参拝者が訪れるところとして知られており、今月は、多くの参拝客で参道が埋め尽くされる月です。
その伏見稲荷大社の周辺には、参道や境内にある飲食店、土産屋、神具店で構成される伏見稲荷参道商店街、社守・塚守も兼ね稲荷山巡拝路に点在する茶店で構成される稲荷山共栄会、そして、今回紹介させていただく稲荷繁栄会があります。
稲荷繁栄会は、現在、伏見稲荷大社前にある本町通及びその本町通から京阪伏見稲荷駅までの間に軒を並べる生活日用雑貨、食料品、カフェ等18店舗のお店からなる商店街で、その歴史は、70年に及ぶ老舗商店街です。
以前は、この地域の方々が日常利用される商店街でしたが、伏見稲荷大社が世界的に有名になり、国内だけでなく世界各国から観光客が訪れるようになってからは、観光客や参拝者等を対象とした商店街へと移り変わってゆきました。
観光客や参拝者の往来に伴い、商店街のサービスも変化し、今では、無料Wi-Fiの提供や荷物一時預かり所を設置するなど、時代や地域のニーズに合わせたサービスにも取り組まれています。
観光客等人の往来が増えてくると、安心して買い物をしていただくための整備が必要となります。
商店街では、いくつかの防犯カメラを設置し、この地域の安全の確保に努めておられ、今までにも、警察の犯罪捜査にこの防犯カメラが役立ったことが何度もあるとのことでした。
“伏見~るカルタ”というのを皆さんは、ご存じですか?
“伏見~るカルタ”は、平成19年、旧伏見工業高等学校の生徒達と稲荷繁栄会が、京都市内、特に伏見で育つ子どもたちがカルタを通じ、楽しみながら伏見のことを知って欲しい、好きになって欲しいという思いから、共同作成したものです。
近年は感染拡大防止のため開催されていませんが、商店街では、行政や教育委員会と協力し、かるた大会や体験会を開催し、その普及に努められています。
また、この“伏見~るカルタ”札巡りのガイドブックも発刊されており、これを見ながら伏見の歴史、名所を知るというのも一興だと思います。
商店街を通り抜ける本町通は、昔、師団街道の渋滞を避けるための抜け道として使われていましたが、伏見稲荷大社駐車場への入庫待ちのための車が渋滞するため抜け道としての利点がなくなり、その様な使い方はされなくなったものの、交通量は依然として多いことで知られた道路です。
この本町通、以前は、北行一方通行の規制に二輪車は含まれていませんでしたが、平成29年3月からは、自転車のみの除外となり、二輪車も規制されることとなりました。それから4年になるのですが、いまだに、南行してくる二輪もあり、信号のないところを横断する際には、短い距離でも十分気を付けて横断しなければなりません。
横断する時には、左右の安全を確認した後、手を上げて合図を示し、止まってくれた運転手にアイコンタクトをして感謝の意を示し、もう一度、安全を確認して横断しましょう。
稲荷繁栄会ホームページ https://inari-kyoto.com/history