京の商店道
春になり、咲き誇る桜を見ながら、加茂街道を上がっていくと、御薗橋の西側、御薗橋通沿いに京都市最北端の商店街「御薗橋801商店街」があります。
御薗橋通は、古くから上賀茂神社参道としての北の要路に当たり、近辺には賀茂川や京都三弘法の一つの神光院があるほか、五山の送り火の一つ船形が見渡せる自然に恵まれたところでも有名です。
また、付近には京都産業大学や佛教大学があり、「大学生の街」としても知られ、大学生が参画したイベント等もこの商店街では行われています。
この地域は、田園風景が広がる地域だったのですが、1935年に土地区画整理事業が始まり、その2年後に御薗橋が開通、その後も住宅や道路が年々整備され、それに伴って人口が増加してゆき、今では農地も散見される程に減り、閑静な住宅地の様相を呈しています。
ちなみに、人口が急増した頃は、1学年15クラスという中学生の数に教室やグラウンドの整備が追いつかなかったほどだったそうです。
人の増加と共に商店も増え始め、この御薗橋通に建ち並んだ商店などを中心に『御薗橋商店街協同組合』が発足、その後、地域と共に発展を遂げ、1994年、『御薗橋801商店街振興組合』と改名して法人化したそうで、現在では、医療、飲食店等約100店舗のお店で構成されています。
商店街の名称にある「801」は、商店街の全長距離が800メートルであることと、そこから未来に向かって一歩進もうという意味から名づけたもので、マスコットキャラクターの「801(やおい)ちゃん」は、京野菜の賀茂なすをもとにデザインされたそうで、商店街が公認した小島アジコの漫画『となりの801ちゃん』のヒットで、一躍有名になったそうです。
現在、商店街を利用するお客さんは、近隣に住む高齢者の方が多く、商店街では「安心安全のまちづくり、福祉の街」を目指して地域の憩いの場と絆づくりに努めておられます。
この度、令和3年京都府交通対策協議会交通安全功労等表彰の受賞功労となったLED街路灯や足下灯、防犯カメラの設置などもそのひとつです。
商店街では、この他にも空き店舗を利用し、地域の高齢者が気軽に集えるコミュニティ施設「801広場」を設け、商店街マスコットキャラクター「801ちゃん」グッズの販売のほか、ペン習字、将棋・囲碁、フラダンスなど高齢者向けの教室を提供しています。
商店街と隣接する御薗橋が、昨年(2021年)3月に橋りょうのかけ替えを行い4車線となり、周辺へのアクセス環境が良くなったことから、商店街への車の流出入も今まで以上に増えてくるものと思われます。
そのような中、今後も地域の方々が集い、更に安心して買い物が出来る環境を築いていただくことを期待したいと思います。